記憶に残るお店は強い
みなさまこんにちは。 飲食コンサルタントの大西です。
今回のコラムは、私の体験談を踏まえてお伝えしたいと思います。
良い印象のお店とは?
まず、記憶に残るお店ってどんなイメージでしょうか。
良いイメージでは『料理がすごく美味しい』『居心地が良いお店』『接客サービスが抜群』
『サプライズ系(各種祝い事含む)』などが、主に挙げられます。
悪いイメージは良いイメージの逆のパターンで、『料理が普通以下もしくは雑』『お店の居心地が悪い』『接客が雑』などに加え、『クリンリネスが行き届いていない』場合などがあげられます。(特にトイレ)
良いイメージ全てに当てはまるお店は繁盛店な場合が多いですよね。ただ全てが満点のお店というのは、お客様それぞれの好みの問題もありますので中々難しい事だと思いますが、ファンが多いお店には惹かれる何かがあるから選ばれているのだと思います。
例えば『お店の外観は少し古いけど、料理の味は一級品』『スタッフの接客対応がすごく気持ちがいい』『落ち着いた雰囲気でデートなどにも使えそう』など、何か一つでもお店の【売り】があれば、それだけでお客様に与えるお店の印象はすごく高くなります。しかも、そういうお店は自然と他の要素もよく見えてくるものです。
私の体験談
今から3年程前の話なのですが、当時のスタッフのちょっとした気遣いが、
今でも印象深く記憶に残っている体験談があります。ある大手焼鳥チェーン店へ行った時の話です。
私には当時1才の子どもがいました。なので自然と外食する際に心掛けていることは【個室や座敷があるお店】【分煙ができているお店】【静かではないお店】の3点です。子どもは静かにできませんし、同じ場所にじっとしていられない時期なので、外食する際は自然とそういったお店を選ぶようになります。
ただ、たまに大人たちが懇意にしている焼鳥店でどうしても外食したくなる時があります・・・。でもそのお店には個室や座敷はないし、横のテーブルに喫煙者の方が来る可能性だってあります。
私は当時喫煙者で、家族で行動する時は子どもの前では喫煙せず、お店の入口などに灰皿が置いてある場合はそこで喫煙していました。
ただ、居酒屋や焼鳥屋さんなどは、全席喫煙席な事が多く、子ども連れではないお客さんは自分の席で喫煙しますし、僕も子どもと行動していない時はその場の席で喫煙します。
そうして悩んだ挙句、じゃあOPENしてすぐの時間帯に行って混み合う前に帰ろう!ということで行くことにしました。
『いらっしゃいませ、何名様ですか?おタバコはお吸いになられますか?』と尋ねるお店のスタッフに吸わないと伝え、席に案内されます。
そこで、このお店のちょっとした気配りが印象に残りました。(料理商品や値段には無い気配りとしての付加価値)
私たちの案内された席は、お子さんを持つファミリー層ばかりで、喫煙する人たちから離れたエリアでした。お店側が、ファミリー層と喫煙者層のエリアを一番離れた場所に席案内をしてくれたのです。
両方の気持ちが分かる私はこの時、お店の方が私たちの心の声を汲んでくれた配慮だなと感じました。これは喫煙者の方への配慮もあると思います。周りが吸っていない状況であれば吸いにくい気持ちにもなりますよね。私は家族と美味しく焼鳥を食べる事ができました。
当たり前の事だと思うけど・・・
「そんなことどこでもやってるよ!」「最初から喫煙・禁煙に分煙されているお店にいけばいいじゃないか」など色々ご意見があると思いますが、
今回の場合、初めから全席喫煙席と分かった上で来店しましたが、例えばたまたま家族で入ったお店が全席喫煙席の場合だってあると思います。その時、今回のような配慮が意外と出来ていないお店もあるのです。とりあえず手前の席から案内、その逆も然りで奥から詰めるように案内したり。各テーブルなどの客層を見ずに案内したりなど。ちょっとした気配りがファンにさせる。そういうお店は記憶に残り、次回の来店選択肢の候補に挙がりやすい。
お店としてはひと手間かもしれませんが、そのちょっとした気遣いができるかできないかが、見えない客離れを生んだり、ファンにできるかできないかを左右している気がするのです。
私の体験談は喫煙者にとっての配慮の話でしたが、他にも、様々なシチュエーションでお店側ができる配慮があると思います。
『あそこのお店のスタッフさんは、子どもたちのことを考えて配慮してくれるよ』などの口コミが広がっていき集客に繋がる。
記憶に残るお店、ファンになってくれるお店こそ繁盛店になり、永く愛され続けるのだなと改めて思いました。